中国の武漢市を中心に新型コロナウィルスによる肺炎が広がっています。
今や中国国内に限らず、日本を始め、韓国、アメリカ、カナダ、オーストラリアなど多くの国で感染者が確認されています。
それだけ感染力が強力になってきているのでしょう。
街中でマスクを着けている人の姿が多く見られるようになりましたが、マスクで新型コロナウィルスの感染を防ぐ事ができるのでしょうか。
マスクの正しい装着法とともに、マスクの基本的な役割について専門医師に聞いてみました。
防塵マスク・N95とサージカルマスクの違いとは?
大手マスクメーカーによると粉じんやウィルスの吸入を防ぐマスクとして、「N95」と呼ばれるマスクがあるといいます。
N95という名称の由来は、米国労働安全衛生研究所(NIOSH)の規格に合格したマスクで、数字の「95」というのは、直径0.3マイクロメートルの粒子を95%以上除去する効力(フィルター)があることを示しているそうです。
0.3マイクロメートルというのは、スギ花粉の数百分の1の大きさで、煙草に含まれる粒子と同じといいます。
ちなみに日本でN95に相当するマスクは、厚生労働省が定める規格をクリアした「防塵マスク」と呼ばれるものだそうです。
一方、コンビニやドラッグストアで売っている花粉症の時などに使用するマスク(医者が手術のときに使うのでサージカルマスクと呼ぶそうですが)、このマスクとどう違うのでしょうか?
サージカルマスクは、口からの唾液や飛沫などを外部に飛散させないために使うマスクで、ウィルスなどの侵入を防止する事を目的に設計されていないそうです。
そうすると、新型コロナウィルスの感染を防ぐためには、N95マスクや防塵マスクでないとだめということなのでしょうか?
N95マスクや防塵マスクで新型コロナウィルスの感染を防げるか?
N95マスクは、既に書いたように直径0.3マイクロメートルの粒子を除去する効力(フィルター)があります。
しかし、新型コロナウィルスは、直径0.1マイクロメートルの大きさなので、N95マスクのフィルターを通過してしまい、侵入を防ぐことはできないといいます。
また、日本の防塵マスクは通常丸い形をしているため、鼻周りに密着させることができず、隙間ができてしまいます。
更に、フィルターの目が細かい分、呼吸がしにくく、長時間の装着は困難だそうです。
マスクの役割についての基本的な考え方として、マスクは、外部からの吸入を防ぐためのものではないといいます。
マスクは、自分が風邪を引いたときなどに、くしゃみや咳で鼻水や唾液の飛沫を周囲にまき散らさないためのものであり、他人を感染させないために装着するものなのだそうです。
ですから、マスクを装着するにしても、マスクの種類ではなく、どのように装着するかが大切だといいます。
特に鼻とマスクの間、口角とマスクの間に隙間があると、効果が半減してしまうそうです。
マスクの正しい装着方法とは?
マスクの正しい装着方法については、まずマスクでしっかり口と鼻を覆い、隙間をなくするために、マスクに折り目を入れると良いそうです。
そのためにマスクを半分に折って上部を鼻の高さに合わせて折り返します。
そしてプリーツ(マスクのひだ)を広げ、鼻からあごの下まできっちりと覆うことで、マスクと顔をできるだけ密着させます。
生理用品の大手メーカーのユニ・チャームによる実験では、このようにマスクと顔の隙間を減らすことで、花粉などのブロック効果は4倍ほど高まったといいます。
マスクは汚れたら取り換える
「もったいない」といって何度も同じマスクを装着したり、ポケットに入れたりするのはいけません。
マスクを口だけ覆い、鼻を出すのも効果がありません。
あごの下にマスクを付ける「あごマスク」はつけていないと同じ、というより汚れたマスクから感染するので、あごマスクをするくらいなら、捨てたほうがよいといいます。
まとめ
それでは今回のまとめです。
中国の武漢市を発生源とする新型コロナウィルスによる肺炎の広がりを受けて、街中ではマスクを着ける人々が多くなっています。
マスクには、N95と呼ばれる防塵マスクや、医者が手術時に使用するサージカルマスクがありますが、いずれもウィルスの感染を防止することはできないとのことでした。
マスクの基本的な役割として、自分のくしゃみや咳で鼻水や唾液の飛沫を周囲にまき散らすのを防ぐことにあり、外部からのウィルスの侵入を防ぐものではないということでした。
更にマスクの効能として、自分の手で顔(口や鼻)を触ることがなくなるということが挙げられます。
ウィルス感染の大きな経路に、沢山の人が触った電車のつり革やドアノブなどを触った手で自分の顔(口や鼻)を触ることが想定されますが、マスクはこの経路を遮断してくれるのです。
ウィルスの感染予防には、マスクも勿論大切ですが、泡立てた石鹸で一本一本の指や指の付根、更には爪の中や手首までのこまめな手洗い、そして、人混みから帰った後や食前のうがいをしっかり行うことが重要とのことでした。
あまり人混みには出歩かないようにしましょう。
別記事で、メガネが曇らない・耳が痛くならないマスクの装着方法について解説していますので、そちらもご覧いただければ嬉しいです。
→「マスクを付けてもメガネが曇らない方法は?耳が痛くならない掛け方も!」
最後までお読みいただき、ありがとうございました。