キウイフルーツはスーパーで1個100円程度で手頃に買えますが、栄養素が豊富で非常に健康効果がある果物です。
いわば栄養素のデパートといっても過言ではないキウイフルールに含まれる具体的な栄養素は、次に示すとおりです。
キウイフルーツでバランスよく栄養素をとることができます。
私たちが手に入れることができるキウイフルールには、グリーンキウイ、ゴールデンキウイの2種類があります。
そんなキウイフルーツと一緒に食べると、腸、血管、骨を老けさせない絶大な健康効果を発揮する食材があります。
腸、血管、骨を老けさせない、キウイとある食材との最強の食べ合わせの3つのパターンとは?
この記事は、2019年2月19日に放送された『林修の今でしょ!講座』に出演された駒沢女子大学教授(理学博士)の西山一郎先生のお話をまとめたものです。
西山先生はキウイ研究歴20年、日本のキウイフルーツ研究の第一人者で、学会などでもキウイに関する研究論文を数多く発表されているキウイのスペシャリストです。
目次
最強の食べ合わせ
①キウイ×お肉 消化速度が2倍で腸を老けさせない!?
キウイフルーツはお肉と一緒に食べることで腸を老けさせない!
これにはキウイだけがもつ独自の成分が関係しています。
その成分は、特にグリーンキウイにより多く含まれているアクチニジンです。
キウイのアクチニジンがお肉のたんぱく質を分解して消化速度を2倍に促進させ、腸の働きを助けてくれるのです。
マウスを使った実験データによればアクチニジンの働きによりお肉の消化率が約2倍になっていることがわかります。
このように消化が促進されるほど腸の負担が減り、腸の老化防止になると考えられるのです。
更に、腸の働きを助けるということは免疫力のアップに繋がり、風邪やインフルエンザの予防効果も期待できます。
そんなアクチニジンという成分をより効果的にとるには、どうすれば良いのか?
【問題】アクチニジンの働きをより高める食べ方はどっち?
A お肉と別々に食べる。B お肉にかけて食べる。
正解はB
そのポイントは温度にあります。
アクチニジンはある一定以上の温度でないとなかなか働かないのです。
アクチニジンは一種の酵素なので0℃付近ではほとんど働かず、温度があがると働きがどんどん高くなります。
しかし、60~70℃を超えると一気に活性しなくなり、一度活性しなくなると温度を元に戻しても、もう復活しないという性質があります。
なので消化を高めるためには、40度~50度あたりが一番いいんです。
そのためには、焼いて熱くなったステーキにあまり熱を加え過ぎないようにしてつくったキウイソースをかけます。
すると、丁度40~50℃あたりの温度になって、アクチニジンの効果が期待できるわけです。
お肉は、牛肉だろうが、豚肉だろうが、鶏肉だろうが、中身は同じたんぱく質なので、アクチニジンのたんぱく質の分解作用は変わりません。
アクチニジンは消化酵素の一種なので、お肉をキウイの果汁やすりおろしに漬けておくと、タンパク質が分解されて柔らかくなります。
ただ、アクチニジンは厚いお肉では内部まで浸透しにくいという難点があるので、キウイに漬け込むときには、お肉を薄切りにして漬け込むのがコツになります。
<手軽にアクチニジンがとれる西川先生お勧めのレシピ>
細かく刻んだキウイにハチミツ、レモン汁を加えて50~60度のお湯を加えてつくるホット・キウイドリンク
キウイのアクチニジンが口臭を予防する!?
口臭の原因は、舌にこびりついた舌苔(ぜつたい)。
舌苔は食べかすや口腔内の細胞などのたんぱく質や細菌で構成されています。
そのため、アクチニジンのたんぱく質分解作用によって舌苔を分解して減少させるので口臭予防の効果があるのです。
食後にキウイをデザートとして食べれば、口臭予防に役立ちます。
更に、舌苔を取り除くことで舌の味覚(味蕾)が復活し、味覚の感度が上がります。
アクチニジンの外含まれる、腸を老けさせない栄養素とは?
キウイの食物繊維が腸内環境を正常にし、便秘・肌荒れを改善!?
キウイには水溶性と不溶性の食物繊維がバランスよく含まれています。
特に水溶性の食物繊維は、水を一緒にとることによって便を柔らかくし、便秘を改善させる効果があります。
問題 便秘解消効果がより期待できるキウイの食べ時期は、どっち?
A 朝食べる。B 夜食べる。
正解はB。腸がよく働く夜に食べるのがより効果的です。
夜食べると自律神経のバランスが整えられ、腸の血流がアップして腸が働きやすくなるのです。
ここまでのまとめ
キウイとお肉を一緒に食べるとキウイのアクチニジンがたんぱく質を分解、腸での吸収を助け、腸に負担をかけない(腸を老けさせない)。
焼いたお肉(ステーキ)にキウイをかけて食べるのがお勧め。
焼いたお肉がキウイを温めることにより効果が倍増する。温度は40度~60度がベスト
最強の食べ合わせ
②キウイ×お魚 Wのパワーで血管を老けさせない!?
キウイとお魚を食べ合わせると血管を老けさせない!?
お魚に含まれる血管に良い成分とは? DHA EPA
青魚に多いDHAは、血管の弾力性を高めたり、赤血球の柔軟性・しなやかさを向上させる効果があります。
EPAは、血栓を作りにくくし、血流を良くする効果があります。
お魚の中でも、サーモンを推薦
サーモンの色素成分であるアスタキサンチンの強い抗酸化作用で血流の改善に繋がります。
キウイとお魚を一緒に食べると、更に血管に良い効果をもたらします。
次に注目するのが、キウイに豊富に含まれているビタミンCとビタミンEのダブルのパワーで血流を改善します。
中でも、よりビタミンCが豊富なゴールデンキウイがお勧め。
ゴールデンキウイにはグリーンキウイの2倍以上のビタミンCが含まれています。
血管を老けさせないためにはビタミンEとビタミンCの役割が非常に重要です。
血液中の赤血球が固まると血栓ができて血管が詰まってしまいます。
ビタミンEは赤血球の表面をしなやかに、やわらかくして血栓をできにくくするという効果があります。
また、悪玉コレステロールが酸化すると血管の内側にくっついて血管を狭くしたり、固くしてもろくしてしまいます。
抗酸化作用があるビタミンEは、悪玉コレステロールの酸化を防いで血流をよくしてくれます。
しかし、ビタミンEがこの働きをすると自分が逆に酸化されてしまい、働かなくなってします。
そこでビタミンEの酸化を防ぐビタミンCの出番!
ビタミンCの還元作用により、酸化されたビタミンEを復活させます。
このようにビタミンEとビタミンCを豊富に含んでいるゴールデンキウイは血管を老けさせない最強のフルーツといえるのです。
<血管を老けさせない西川先生お勧めのレシピ>
サーモンのカルパッチョ〜~ゴールデンキウイ添え~〜
ここまでのまとめ
キウイとお魚を一緒に食べるとキウイの豊富なビタミンCとビタミンEが血流を良くしてくれます。
特にお勧めなのは、サーモンとゴールデンキウイとの食べ合わせです。
最強の食べ合わせ
③キウイ×お豆腐 最新研究で判明!骨を老けさせない!?
ここで注目される栄養素がお豆腐に含まれる大豆イソフラボン
2016年に発表された論文によると、女性33人を対象に大豆イソフラボンだけ食べた人とグリーンキウイを食べ合わせた人の骨について、そのしなやかさを調査して比較すると驚きの結果が出ました。
大豆イソフラボンだけを食べた場合とグリーンキウイを食べ合わせた場合とでどちらがの骨がしなやかになるか?
次のグラフ上の骨代謝マーカーが低ければ低いほど骨がしっかり形成されて丈夫でしなやかに折れにくくなっていると言えます。
グリーンキウイを食べ合わせた人のほうが、15%骨が丈夫になったという結果が出ているのです。
大豆イソフラボンは、骨からカルシウムが溶け出すのを抑える働きがありますが、グリーンキウイ中の何らかの成分により、そうした大豆イソフラボンの効果が高まったものと推測されます。
お豆腐以外にも納豆や味噌汁、豆乳、油揚げなどの大豆製品でも同じような効果が期待できます。
お勧めのキウイとお豆腐を使ったレシピは、
<お豆腐とキウイのサラダ>
キウイはドレッシングの代わりになります。また、キウイは味がトマトに似ているのでトマトの代わりに使われます。
BLT(ベーコン・レタス・トマト)サンドイッチのトマトの代わりにキウイを入れるのもありで、名付けてBLK(ベーコン・レタス・キウイ)サンドイッチ。
ここまでのまとめ
骨を老けさせないキウイと食べ合わせる食品は、お豆腐のほか味噌汁や納豆など他の大豆製品でも同様の可能性が期待できます。
総まとめ キウイフルールに関する豆知識
今回は要所要所でまとめていますので、ここではキウイフルーツに関するその他の豆知識をご紹介します。
①栄養素をムダにしない、美味しくて甘いキウイの選び方とは?
ここで再び問題です。
問題 キウイはどっちの形が甘い?
A 丸く角の張ったもの。B 細長いもの。
正解は、A 丸く角張ったものの方が糖度が高く甘い。
キウイは幹に近いものほど栄養分を沢山蓄えるために、段々丸く角張ってくるのです。
それが追熟しているうちに段々糖に変わって糖度が高くなってきます。
②一つのキウイで比べても、その場所、部位によって糖度が違う?
更に問題です。
問題 一つのキウイで糖度が一番高い部位はどこ?
A 果梗部 B 赤道部 C 果頂部
正解は、C 果頂部(一番甘い)、A 果梗部はビタミンCが一番多い。
③賢いキウイの保存法
キウイは保存性が良く、乾燥を避けて袋に入れて冷蔵庫で保存すれば、2,3か月は保存できます。
固いものを買って、早く食べたいときは、冷蔵庫に入れずに室内に置いておけば追熟が進み、食べる直前に冷蔵庫にいれて冷やして食べればよい。
問題はキウイは食べごろが見た目ではわかりにくいこと。
なので、軽く握って表面がやわらかい、あるいは袋を開けていい香りがするときが食べごろです。
④見つけたら食べてみたいスペシャルキウイとは?
<ベビーキウイ > 直径2~3センチの、長さ3~4センチの小型のキウイ。
「さるなし」という、キウイに良く似た種類の植物の実です。
目の健康に良いベータカロテンやルチンをキウイフルーツよりも豊富に含む。
<レインボーレッド> ただ黄色いだけではなく、芯の周りに赤い色素を含む品種。
この赤い色素には、ブルーベリーやいちごと同じ成分のアントシアニンが含まれ、抗酸化作用があり、生活習慣病の抑制を期待できます。
両方とも糖度が高く、キウイが糖度13~15%なのに対し、これらは15~18%もあります。
以上、キウイフルーツの豆知識でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。