中国の武漢市を中心に新型コロナウィルスが猛威を振っています。
2月10日現在、中国本土では感染者が4万171人に達し、死者は908人になったと発表されました。
こうした状況を受けて街中ではマスクを着用する人々の姿が多く見られるようになりましたが、肺炎などの感染症を予防するためには、マスクの選び方や着用などマスクに関する正しい知識を得て実行することが大切です。
そこで今回は、医師が推奨するマスクの選び方やつけ方などマスクに関するいろいろな知識をご紹介します。
目次
マスクの役割とは?
マスクの正しいつけ方を確認する前に、最初にマスクがどのような役割を果たしているのかについて解説していきます。
風邪予防や口元の保湿の役割
マスクの役割の第一は、自分を風邪や肺炎などの感染症から守るためという方が多いかと思います。
風邪などのウィルスは、細菌と違って湿度が低い、すなわち乾燥していると活動が活発になり生存する時間が長くなります。
そのため、空気が乾燥する時期にマスクをつけて口元を保湿しておくことで、風邪を予防する効果が期待できるといわれています。
自分が風邪を引いた時の飛沫感染防止の役割
風邪の予防だけでなく、自分が風邪を引いている時に、飛沫感染を防ぐエチケットとしてもマスクは大切です。
飛沫感染とは、咳やくしゃみなどから周囲に飛び散る飛沫に含まれる病原体が周りの人の口や鼻などの粘膜に付着して感染することをいいます。
ウィルスは直径0.1マイクロメートルほどであるため、一般的なマスクの編目よりも小さく、ウィルスそのものをマスクだけで防ぐことは難しいといわれています。
しかし、飛沫はウィルスを含んだ水滴なので、その大きさは直径5マイクロメートルほどのためウィルスよりも大きく、マスクの編目にも引っかかります。
そのため、風邪などに感染した本人が、飛沫を外へ出さないためにマスクを着用することは、周りへの感染防止にも効果があるといえるのです。
手指についたウィルスなどを自分の鼻や口に移さない役割
ウィルスなどの感染は、飛沫感染による場合のほか、手すりやドアノブ、エレベーターの階数指定ボタンなどを介してウィルスがついた手指で自分の顔(口や鼻)を触ることによる間接的な接触感染が多いのではないかと思います。
日常生活の中で手すりやドアノブなどを触らないわけにはいかないので、ウィルスなどが手指につくリスクは避けられませんが、その手指で顔(口や鼻)に触らないためにもマスクを着用するのです。
手指が手すりやドアノブに触ってもマスクを着用していれば顔に触らずに過ごすことができ、外出して帰宅したら一番先に手洗いを丁寧に行うことにより手指からの接触感染を防ぐことができます。
マスクの選び方
マスクは、さまざまなタイプのものが市販されていますが、風邪予防のためにはどのような種類のマスクが適しているのか考えてみましょう。
ここでは、知っておきたい基本的なマスクの種類と、この時期に着用したいマスクとしておすすめのタイプをご紹介します。
マスクの種類
マスクは、形状別に次の3つのタイプに分けられます。
●平型マスク
ガーゼ製又は不織布製で、平たいタイプの平型マスクは、まとめ買いできる物も多く販売されているため、このタイプを着用する方が最も多いのではないかと思います。
●立体型マスク
不織布製で立体裁断してある立体型マスクは、顔周りにフィットしやすい形状が特徴です。
●カップ型マスク
不織布製で、鼻と口を覆うドーム状のカップ型マスクは、立体型よりもさらに密着性が高くなります。
風邪予防には不織布製のマスクがおすすめ!
感染症などをきちんと予防したい場合は、不織布製の立体型マスクかカップ型マスクがおすすめです。
不織布製とは、繊維を織らずに機械的・化学的な作用によって接着又は絡み合わせることで布にしたもので、織物よりも気密性が高くフィルターとしての機能が高いのが特徴です。
一方、ガーゼ製の平型マスクは、案価でまとめ買いできる点がメリットですが、フィルターとしての機能は低いといわれています。
なので不織布製ですと肌荒れやかゆみを生じやすい方や自宅で喉や口元の乾燥を予防したい場合に使うのがおすすめです。
なお、マスクは使い捨てが原則ですので、1日1枚を目安に使用し、同じ物を使い回すことのないようにしてください。
マスクの正しい使い方
ここからは、マスクの正しい使い方について、つけ方、外し方、廃棄方法に分けてそれぞれ解説して行きます。
マスクの正しいつけ方
マスクをつける前に、必ず手を洗って清潔な状態にしておきます。
① マスクの裏表や上下を確認する。
マスクの裏表は、メーカーによっても見分け方が異なりますが、特に裏表の見分け方がパッケージに記載されていない場合は、ゴムひもが付いている方が裏(顔に接する面)になることが多いようです。
また、マスクの上下は、鼻周りにフィットさせるための針金が入っている方が上になります。
プリーツなどマスクに折り目がある場合は、プリーツの山の部分が下方向になります。
② 鼻・口・あごを覆う。
マスクで鼻からあごまでを覆ったら、マスクの上部を鼻筋にフィットさせます。
③ ゴムひもで耳に固定する。
ゴムひもは、ゆるすぎず、きつすぎないのがおすすめです。
マスクの正しい外し方
使用後のマスクにはウィルスが付着している危険性が高いので、マスクを外す時は、マスク(フィルター)を手で触らないように、ゴムひも部分を持つようにします。
マスクの廃棄方法
マスクを外したらゴムひも部分を持ち、蓋付きのゴミ箱に捨てます。
蓋なしのゴミ箱なら、マスクをビニール袋に入れて袋の口を閉じてから廃棄します。
マスクを廃棄した後は、手にウィルスが付着している可能性があるため、石鹸でしっかり手を洗いましょう。
アルコールなどで手指を消毒するのも良いです。
マスク装着時に注意したいこととは?
次にマスクを使う時に気をつけたいことを解説します。
●マスクをあごにかけない。
鼻や口元を出す際にマスクをずらしてあごにかける「あごマスク」はNGです。
一度あごにかけたマスクには、あご部分に付着したウィルスなどの飛散物が内側に移る可能性があり、マスクを元に戻すとマスクの内側に移ったウィルスに感染する恐れがあるからです。
●自分に合ったサイズを選ぶ。
耳の裏のつっぱり感が気になって大きめのサイズを選んでしまうとゴムひもがゆるくなり、マスクと顔周りに隙間が生じてウィルスなどが侵入しやすくなってしまうので注意が必要です。
●針金部分をフィットさせる。
針金部分を鼻筋にフィットさせないと、鼻周りに隙間が生じてウィルスなどが侵入しやすくなってしまいます。
●マスクから鼻が出ないようにする。
鼻部分をマスクでしっかり覆わないとウィルスが侵入しやすくなってしまうので、マスク装着時は口だけでなく鼻部分まできちんと覆うことが大切です。
●マスクのフィルター部分を頻繁に触らない。
マスク着用時にフィルター部分を何度も触る事がないように注意しましょう。
マスクに付着したウィルスが手に移ってしまう危険性があります。
まとめ
それでは今回のまとめです。
2020年2月10日現在、中国本土では感染者が4万171人に達し、死者は908人になったと発表されました。
こうした状況を受けて、街中ではマスクを着用する人々の姿が多く見かけるようになりましたが、感染症を予防するためには、正しいマスクの選び方や着用方法などを知り、それを実行することが必要です。
普段、何気なく使っているマスクですが、正しい方法で行ってこそ効果が発揮できるというもの。
正しいやり方を実践し、しっかりウィルス対策をして風邪や肺炎などに罹らずこの冬を過ごしましょう!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。