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血液型の違いの由来とは?ABO型で解説。血液型はなぜ存在する?

投稿日:2019-01-27 更新日:

人間の血液にはA型とか、B型・O型、更には別の分類分けとしてRhプラス・マイナスなどの血液型があります。

血液型の違いって何に由来するのでしょう?

一度気になると、そのままにして置けない性格なので、いろいろ調べたり、血液型に詳しい先生から教えて頂きました。

今回は、血液型の違いが何に由来するのか、教えて頂いた内容について解説して行きます。

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血液とは?

まず、そもそも血液とはどういうもので、どんな役割があるのでしょうか。

血液の役割とは?

血液は、動物の体内を巡る体液の中でも大変重要なもので、動脈を通って全身の細胞に酸素や栄養分を運搬する役割を担っています。

そして生命活動で生じた二酸化炭素や老廃物を体外に排泄するために、静脈を通してこれらを肺や肝臓などの臓器に運ぶ役割も担っています。

血液の成分とその役割

血液は大きく約55%の血漿(けっしょう)成分と約45%の細胞成分からできています。

血漿成分は水分やたんぱく質などからなり、一方、細胞成分は赤血球白血球、そして血小板からなっています。

赤血球は、全身に酸素を運ぶ担い手となる重要な役割を、白血球は生体防御を司る免疫の役割を、血小板は出血の際の止血の役割をそれぞれ担っています。

次に、今回のテーマである血液型の違いについて解説して行きます。

血液型は、血液中に存在する抗原と抗体の組合せで決まる

血液型は、血液中の赤血球の表面にある抗原という物質と、血漿中に存在し、抗原と結合する抗体という物質の組合せによって決定されます。

ABOの血液型における抗原と抗体の組合せ

例えばA型の赤血球にはA抗原(上図では緑色の○)という物質があります。そしてこのA抗原と結合する抗体を抗A抗体(上図では緑色のY)といいます。

一方、B型の赤血球にはB抗原(上図では青色の○)という物質があり、このB抗原と結合する抗体を抗B抗体(上図では青色のY)といいます。

抗原とそれに結合する抗体の関係は、鍵と鍵穴の関係になぞられて説明され、抗原Aの鍵は、抗A抗体の鍵穴とぴったり一致して結合します。

血液中にある抗原と抗体の実際の状況

ここから話しが少しややこしくなります。

A抗原のあるA型の血液には抗A抗体はなくB抗原と結合する抗B抗体があり、また、B抗原のあるB型の血液にはA型とは逆にA抗原と結合する抗A抗体があるのです。

これが逆の組合せだったら、抗原と抗体の鍵と鍵穴がぴったり一致して、すなわち血液が結合してしまい、血液としての役割を果たせないことになります。

そこでAB型はどうかというと、AB型の赤血球にはA抗原(上図では緑色の○)とB抗原(上図では青色の○)の両方の抗原があり、その代わり血漿中には抗A抗体も抗B抗体もありません

また、O型は、AB型とは逆に赤球にA抗原もB抗原もなく、その代わりに血漿中に抗A抗体(上図では緑色のYと抗B抗体(上図では青色のYの両方の抗体があるのです。

血液型は、抗原と抗体が同じタイプの組合せにならないようになっており、これが自然の摂理というものなのでしょう。

これらの組合せを図解すると次のとおりになります。

ABO型の抗原と抗体の組合せ(朝日新聞から)

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抗原と抗体が結合すると?

上の図解から分るように、どの血液型も同じ型の抗原・抗体をもつものはありません。

血液中に同じ型の抗原・抗体が存在するとどうなるか。

すなわち、ある血液型と違う血液型を混ぜるととうなるか?

抗原と抗体がくっつきます。

というか、赤血球の抗原が抗体を介してくっつくということは、赤血球同士がくっつく、すなわち血液が固まることを意味します。

血液凝集のイメージ図(朝日新聞から)

赤血球が固まることを凝集といい、そうなると赤血球の膜が破れ、溶血と呼ばれる状態になって、人間にとっては大変危険な状況になります。

最悪の場合、死亡してしまいます。

まとめ その内容や分類法が分かっても存在理由が未知の血液型

それでは今回のまとめです。

血液型の違いとはどういうことなのかについて説明してきました。

血液型という概念は、1900年にオーストリアの医学者カール・ラントシュタイナー博士によって発見されました。

ラントシュタイナー博士は1901年に血液型に関する論文を発表し、その後、1930年に血液型発見の功績によりノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

それ以来、科学者たちはテクノロジーの進化と共に発展して来たさまざまなツールを駆使して血液型を生物学的に調査し続けており、その結果、血液型は、ABO型のほかにRhプラ・マイナスなど沢山の分類法が出現しました。

血液型は、基本的に赤血球にある抗原、血漿中にある抗体の組合せで決まるのですが、なぜこんなにも複雑な方式になっているのかの理由が説明できていません。

それに、そもそもなぜ血液型というものが存在しているのか、その理由さえもわからないのです。

カリフォルニア大学サンディエゴ校の生物学者であるAjit Varki(アジットヴァルキ)氏も次のように語っています。

血液型が発見されて100年以上が経過しているにもかかわらず、我々は血液型が何のためにあるものなのかを正確には知りません。

この問題は、生物の進化や遺伝子の分野に深く関わっている気がします。

また、人間以外の生物の血液型との関係はどうなっているのか、血液型の進化というようなものにも関わっているような気もします。

いずれにせよ、今後の医学研究の成果に注目し期待したいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。

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管理人の浅野清美と申します。
長年勤めた役所を退職した元地方公務員。
現在は、現役の時にお世話になった役所の退職者を会員とする一般社団法人の事務局で会員ボランティアとして活動しています。
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