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夫婦別姓

選択的夫婦別姓とは?導入の背景とは?反対意見や不要論も!

投稿日:2018-03-22 更新日:

夫婦別姓賛成派による平成27年12月16日最高裁大法廷判決の報告会

「選択的夫婦別姓」というのをご存知ですか?

今、ネット上で、夫婦別姓について活発に議論が展開されています。

夫婦別姓とは何か?また、この言葉の前に「選択的」という言葉がつくのはなぜなのか?

更に夫婦別姓について、導入の背景、反対意見や不要論をまとめてみました。

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選択的夫婦別姓とは?

選択的夫婦別姓とは、結婚したときに夫婦が称する苗字・姓の問題です。

日本の場合は、結婚後の姓は、民法上、夫婦どちらかの姓を称する夫婦同姓が決まりですが、夫婦別姓は、結婚しても夫婦双方が結婚前の姓を継続することを認める制度です。

「選択的」というのは、結婚するときに、従来の夫婦同姓と夫婦別姓のどちらかを選択できるという趣旨です。

因みに、法務省はこの制度を「夫婦別氏制度」と名づけており、民法等の法律が「姓」や「苗字」のことを「氏」と定めているためです。

夫婦別姓に関する法制審議会の答申が出たのは、平成8年2月26日で今から20年以上も前のこと。丁度、管理人が現職で戸籍や住民票を所管する部門に所属していたときのことでした。

この制度を導入するためには、民法の改正が必要で、この答申を受けた法務省は、平成8年、更には平成22年に民法の改正法案を準備しました。

しかし、国民各層に様々な意見があることなどから,いずれも国会に提出するまでには至らず、選択的夫婦別姓は、現在、まぼろしの制度となっています。

夫婦別姓について、何回か意識調査が行われていますが、少しずつ夫婦別姓を認める割合が増えてはいるものの、依然として根強い不要論や反対意見が高齢者の世代にあり、法務省は様子見の状態です。

因みに、夫婦別姓を選択した場合に、戸籍はどのような内容になるのか、次の家系図の鈴木一郎・山田花子ご夫婦の家族について作成してみました。

鈴木家・山田家の家系図

管理人が見慣れている戸籍電算化前の戸籍謄本、更に電算化後の戸籍全部事項証明書の2種類を作成しました。

電算化前の戸籍謄本

 

戸籍全部事項証明書

選択的夫婦別姓を導入しようとする背景とは?

近年、女性の社会的進出に伴って、独身時代に名前(旧姓)が職場や社会に知れ渡っている人が結婚して改氏すると、いろいろな場面で不便や不利益を感じ、結婚しても旧姓を名乗りたいという女性が増えています。

また、結婚して戸籍法上の姓を変えると、例えば、銀行口座の開設や婚姻後の姓の印鑑の作成、クレジットカード、パスポート、免許証、健康保険証などを旧姓から婚姻後の姓に変更するためのさまざまな事務手続に時間や手間がかかり、経済的、精神的な負担が大きいといいます。

夫婦別姓に賛成される方の中には、実質的な男女同権の実現を目指すとか、生まれてずーっと同じ氏(姓)でいたのに、結婚により改氏を迫られるというのは不合理で違和感があり、夫婦同姓は、自己同一性に変更を加える憲法違反の制度だとまでおっしゃる方もいます。

究極の意見として、氏(姓)の不要論まで出ています。

実際問題として結婚して改氏するのは、ほとんとが女性の方なので、夫婦別姓を求めるのは、女性だろうと思っていました。

しかし、今では男性でも夫婦別姓の事実上の実践者がいたり、夫婦別姓を求めて訴訟を提起する男性弁護士が現れたりと相当様相が変わってきています。

選択的夫婦別姓に対する反対意見ないし夫婦別姓不要論

反対意見は、夫婦別姓によって家庭が崩壊する恐れや家族の絆が弱まる恐れを指摘します。

また、子供がどちらの姓を名乗ればいいか混乱するという懸念を主張します。

これに対して賛成意見は、家庭の崩壊や絆が弱まることの証拠がない(単なる妄想)とか、子供が名乗る姓は、予めきちんとルールを定めておけば混乱しないなどと反論します。

今や水掛け論のような感じです。

社会進出している女性が、結婚後も旧姓を名乗りたいという気持ちは分かります。

そういう女性は、夫婦別姓がない現在でも、結婚後も「通称」として旧姓を使い続けていると思われます。

そしてそれでいいのではないか、「旧姓ですが」とか「通称では」などと一々ことわる必要もない、人の名前に正式名とは別に通称名があってもいいのではないか。

だから敢えて夫婦別姓という制度を設ける必要がないというのが不要論です。

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夫婦同姓に対する司法(裁判所)の判断は?

法務省が夫婦別姓に関する民法改正法案を準備するも、国会に提出するまでに至らない状況に業を煮やした夫婦別姓賛成派は、司法の判断を引き出そうとしました。

もっとも、司法(裁判所)に夫婦別姓という未だ存在しない制度の是非を申し立てるわけにはいきません。

そのため、夫婦は同じ苗字にしなければならないという現行民法の夫婦同姓の制度が憲法の関係条文に違反していることを認めさせ、その反射的な効果として夫婦別姓を正当化し実現させる道を開こうとしました。

具体的には「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」という夫婦同姓を定めた民法750条の規定が憲法13条や14条、更には24条2項に違反すると主張したのです。

夫婦同姓が憲法13条に違反するとは?

憲法13条は「すべて国民は個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共に福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」という幸福追求権を定めた条文です。

夫婦別姓の賛成派は、この憲法13条が保障する権利の一つである人格権には婚姻の際に『氏の変更を強制されない自由』も含まれ、夫婦同姓を定める民法750条は、この人格権を侵害すると主張します。

夫婦同姓が憲法14条に違反するとは?

憲法14条は、「すべて国民は、法の下に平等であって、人権、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」という法の下の平等を定めた条文です。

夫婦別姓賛成派は、婚姻の際に改姓させられるのは女性が多いとして、夫婦同姓を定める民法750条は事実上女性にのみ不利益を負わせており、法の下の平等を定めた憲法14条に違反すると主張します。

夫婦同姓が憲法24条2項に違反するとは?

憲法24条2項は、財産、婚姻、家族など個人の諸々の権利義務関係を法律で定める時は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して定めなければならないと定めており、民法750条は、この規定による立法上の要請、指針に照らして合理性を欠くと主張します。

夫婦別姓賛成派の主張に対する司法(最高裁)の判断は?

夫婦別姓賛成派の以上の主張に対して最高裁判所はどんな判断をしたのでしょうか。

平成27年12月16日の最高裁大法廷の判決がその回答でした。
 
まず、憲法13条違反の主張に対しては、そもそも『氏の変更を強制されない自由』などというものは憲法で保障する人格権の内容とはならないといいました。

次に憲法14条違反の主張に対しては、民法750条は「妻だけが姓を変更する」規定になっておらず夫婦同姓は平等原則に反しない、また、氏を変更する圧倒的多数が女性だとしても、それは民法750条の問題ではないとしました。

また憲法24条2項違反の主張に対しては、最高裁は、まず最初に憲法24条2項の規定の趣旨を検討し、国会が財産や婚姻など個人の権利義務に関する法律を制定する際の立法裁量の限界を定めたものとしました。

それを前提に夫婦同姓を定めた民法750条が、国会が立法裁量の限界を逸脱して定められたかどうかを審査し、立法裁量を逸脱していない、すなわち夫婦同姓は合憲であると判断したのです。

民法750条が、立法裁量を逸脱して、すなわち個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚しないで定めた条文とまではいえないというわけです。

ただ、個々の裁判官のレベルでは、違憲という判断も結構あり、合議体の結論として、かろうじて合憲という判断に留まったというのが本当のところのようです。

まとめ

それでは今回のまとめです。

選択的夫婦別姓に関する議論は、建設的な議論になっているのかどうか、管理人は疑問に思っています。

賛成意見は、夫婦同姓を否定はしないので、議論は専ら夫婦別姓の是非に終始し、ああ言えばこう言う式の議論が繰り返されています。

こういう議論にはあまり参加したくないのですが、管理人からも少し質問させてください。

①愛する人と同じ姓を名乗れることが嬉しくはないのですか。→ そういう人は夫婦同姓を選べばいい。

②表札はどうするの?→ 連名にすればいい。

③夫婦二人で築き上げる家庭を何て呼べばいいのでしょうか。その家族の集まりを指し示す言葉(例えば「○○家」というやつです)、これを夫婦別姓ではどう呼ぶのでしょうか。

→ バドミントンのダブルスの名前が参考になる。

高橋・松友ペアは「タカマツ」ペア、小倉・塩田ペアは「オグシオ」ペア、あと、小渕と黒田のデュオを「こぶくろ」と言いますね。こんな感じです。

このような考え方の姓を「結合姓」あるいは「複合姓」と言うそうです。

④「なぜママだけ違う苗字を名乗っているの?」と子供に聞かれたとき、どんな説明をするのでしょうか。→ ママは特別だから!?

本当は、今まで書いてきたことを分かりやすく説明すべきなのでしょう。

しかし「同じ家族の一員なのに、どうしてママだけ苗字がちがうの?」という率直な質問をする子供に対し納得させるだけの自信がありません。

多分、誤魔化すんでしょうか。

自分をどう名乗るかは、本人の問題であり、周りがとやかく言う筋合いのものではないという意見もあります。管理人の考えです。

でも、これで子供が納得するかどうか分かりません。

それよりも問題は、国民の「家庭」や「家族」、更には「氏(姓)」や「戸籍」に対して抱く感情(思い入れ)が世代間で相当の格差があるということ。

これをどう埋めて行くのか、どうすれば共通の理解できるかが、今後の課題となるのではないでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

夫婦別姓については、新しい夫婦別姓の記事も掲載していますので、そちらもお読み頂けたら嬉しいです。

新たな夫婦別姓とは?選択的夫婦別姓の違いは?国際結婚は夫婦別姓?

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管理人のキャサノンと申します。
長年勤めた役所を退職した元地方公務員。
現在は、現役の時にお世話になった役所の退職者を会員とする一般社団法人に勤務しています。
会員の皆さんはもちろんのこと、シニアの方々を始め、広くいろいろな読者の皆さんへ情報発信していきます。
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