タイ北部のチェンライ県で洞窟に取り残された地元サッカーチームの少年12人とコーチの合計13人のうち、最初の4人が無事救助されました。
激しい豪雨で水かさが増して水没した洞窟からの救出は難航すると予想されていましたが、意外に早く、まず最初の4人が救助されたのです。
どんな方法で救出されたのか、気になります。
そこで、その救出方法について報告します。
事件の発端
そもそもの発端は、6月23日午後、いつものサッカーの練習の終了後、チームのメンバーの一人が誕生日だったので、洞窟で「ハッピーバースデイ」を歌うため、近くのタムルアンという洞窟に入ったそうです。
しかし、タイでは既に雨期に入っており、そのときも、激しい豪雨に見舞われ、洞窟には大量の雨水が流入して来たため、少年たちは洞窟の奥に避難せざるを得なくなったわけです。
雨水の流入は更に激しさを増し、そのため、戻ることができなくなり、じっと救助を待つしかなくなったのです。
そして、行方不明になってから9日後の7月2日にイギリスのダイバーチームにより発見され、13人全員の無事が確認されたのです。
救出の困難性
13人全員の生存が確認され、ほっと安心したのも束の間、少年たち13人をどんな方法で救出するのか、困難な問題が待ち受けていました。
この洞窟は10km以上もある迷路のような複雑な地形。おまけに視界がほぼゼロの泥水で充たされた水中を通らなければ戻れないという、イギリスのダイバーチームがたどり着くのも困難なところを、どうやって戻ればいいのでしょうか。
いろいろな方法が検討されました。
正攻法は、少年たちに潜水の基本を教えて、専門のダイバーとともに泥水の中を潜水して脱出する方法。
しかし、この方法でも脱出するのに数時間は水中を泳がなければならないのです。
7月6日にタイ海軍特殊部隊のダイバーが救援物資を運搬した後の帰路で、酸素不足で死亡したことから、潜水して脱出する方法はリスクが高いとの意見もありました。
あとは、洞窟の中に流入した雨水を排水して水位を下げる方法。
食料などを4か月分用意して、10月の雨期が終わり水位が下がるのを待って徒歩で脱出する方法。
更には、山の中腹から洞窟目掛けてドリルで穴をあけてたどり着く方法、
などいろいろな 救出方法が検討されているようですが、どれも現実的な方法とは思われません。
また、酸素不足対策のため、現在少年たちのいる洞窟に空気を入れるために5キロにわたる管の設置が進められているそうです。
救出の方法とは?
7月8日夜、少年4人の救出に成功しました。
やはり、正攻法の救出方法が実行されたようです。
今回の少年4人の救出には、外国の潜水士13人、タイ海軍の潜水士5人の18人が参加して、少年1人につき、2人の潜水士で介助する方法で行われました。
救出された少年には、フルフェイスの酸素マスクを被ってもらい、暗くて狭い洞窟の通路を2人の潜水士に介助されながら泳いで抜け出したのだと考えられます。
まとめ
それでは、今回のまとめです。
タイ北部のチェンライ県で洞窟に取り残された地元サッカーチームの少年12人とコーチの 合計13人のうち、最初の4人が無事救出されました。
洞窟に流入した泥水の水位が上がり、水没したところを抜けるためには数時間にわたる潜水を避けることができないため、潜水の経験がない少年たちには無理ではないかという意見もありました。
でも、やはり正攻法の潜水脱出を試みたのは、他に現実的な方法が見つからず、酸素不足の恐れもあり時間との戦いもあって決断したのだと思います。
残り9人の救出は、酸素ボンベの準備ができ次第開始されるそうです。
残りの9人少年たちも無事救出されることをお祈りいたします。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
(7月11日追記)
7月9日に、更に4人が救出され、昨日(10日)残り5人が救出されたことにより、13人全員の救出が完了しました。
その後の報道で明らかにされたことは、驚くなかれ、少年達は潜水脱出中にパニックにならないよう麻酔を注射されて眠らされて脱出したそうです。