北朝鮮がミサイルを発射しました!
この北朝鮮のミサイル発射を受けて「Jアラート」というシステムが発動されました。
しかし、この「Jアラート」は私たち一般国民には馴染みが浅く、一体どんなシステムなのか?
北朝鮮が、これからもミサイルを発射することは十分考えられますので、Jアラートの発動は今後ますます増加すると思います。
いざ発動されたときに慌てないですむように、Jアラートについて管理人の体験も交えてまとめてみました。
目次
ミサイルが発射されたときのJアラートによる伝達情報
8月29日(火)午前5時58分ころ、突然スマホのチャイムが鳴り出しました。
直ちにテレビを点けると、北朝鮮が日本の北海道・東北の方向にミサイルを発射したというニュースがテレビ画面いっぱいに表示され、アナウンサーがミサイル発射を繰返しアナウンスしていました。
最初のうちは、北朝鮮からミサイルが発射されたというアナウンスだけでしたが、そのうちに地下に避難するようにという呼びかけが加わりました。
しかし、自宅の周囲には避難するような地下がないので現実的ではないなと思っているうちに、ミサイルが北海道上空を通過したという情報が伝達されました。
その後ミサイルは襟裳岬の東、約1,180kmの太平洋上に落下したとの情報が伝達されました。
ミサイル発射の警報から太平洋上に落下したという情報まで、わずか10数分のことでした。
突然鳴ったスマホのチャイムにびっくりして伝達情報に注意するのも束の間、あっという間に終わってしまいました。
そもそも、Jアラートという情報伝達システムに馴染みが浅い上、音速の20倍もの高速で飛翔するミサイルの情報ということもあり、本当に何もしないうちに終わってしまったという感じでした。
内閣官房「国民保護ポータルサイト」によれば、「Jアラート」とは正式名称を全国瞬時警報システムといいます。
弾道ミサイルが発射された場合、瞬時に日本全国に警報が発せられる仕組みになっているのだそうです。
弾道ミサイルが発射された場合のJアラートによる情報伝達では、
- (1) ミサイルが日本領土・領海に落下する可能性があると判断した場合
- ①ミサイルの発射情報・避難の呼びかけ
(屋外にいる場合は、直ちに近くの頑丈な建物や地下に避難する。) - ②直ちに避難することの呼びかけ
(屋外にいる場合は、直ちに近くの頑丈な建物や地下に避難する。
近くに適当な建物等がない場合は、物陰に身を隠すか、地面に身を伏せ頭部を守る)
(屋内にいる場合は出来るだけ窓から離れ、出来れば窓のない部屋へ移動する) - ③落下場所等についての情報伝達(日本の領土・領海に落下)
- ①ミサイルの発射情報・避難の呼びかけ
- (2) 日本領土・領海の上空を通過した場合
- ①ミサイルの発射情報・避難の呼びかけ
- ②ミサイル通過の情報伝達
- (3) 日本の領海外の海域に落下した場合
- ①ミサイルの発射情報・避難の呼びかけ
- ②落下場所等についての情報伝達(日本の領海外の海域に落下)
といったまとめがされていますが、本当にこれで大丈夫なのでしょうか。
今回のミサイル発射の時系列的な整理
ここで今回の北朝鮮のミサイル発射について、客観的な事実の経過はどうなっていたのか、時系列的な整理をしてみました。
- 午前5時58分頃 北朝鮮が自国西岸(順安空港)から東北方向にミサイルを発射
- 午前6時02分 Jアラート(全国瞬時警報システム)により12道県(617市町村)及び携帯電話会社に発射情報を伝達
- 午前6時05分~07分頃 ミサイルが北海道渡島半島、襟裳岬の上空を通過(推定)
- 午前6時12分頃 ミサイルは、襟裳岬の東約1,180kmの太平洋上に落下(推定)
- 午前6時14分 Jアラートが、ミサイルが北海道上空を通過した情報を伝達(ミサイルの飛行時間約14分、飛行距離約2,700km、最高高度約550km)
この時系列で見ると、ミサイルが北海道上空を通過したのは、午前6時05分~07分頃で、Jアラートがその通過情報を伝達したのは、7分~9分も遅れた午前6時14分です。
そして、この通過情報を伝達した2分前の午前6時12分には、既にミサイルは襟裳岬東約1,180kmの太平洋上に落下しているのです。
Jアラートからのミサイルの通過情報を受けて緊張感が最高潮に達しているとき、ミサイルは既に太平洋上に落下しているのです。
これって余りにも時間的なギャップあり過ぎませんか?
超高速で飛翔するミサイルの情報伝達なので難しいとは思いますが、もう少し先読み等の工夫でより実用的な情報伝達システムにならないものでしょうか。
Jアラートの仕組みと今後の対応について
Jアラート(正式名称は「全国瞬時警報システム」)は、通信衛星(静止衛星:スーパーバードB2)と市町村の同報系防災行政無線や有線放送電話を利用し、緊急情報を住民に瞬時に伝達する日本のシステムです。
2004年度から総務省消防庁が開発及び整備を進めており、実証実験を経て、2007年度2月9日から一部の地方公共団体で運用が開始されています。
今回の北朝鮮からのミサイル発射は、米軍の早期警戒衛星からの覚知情報をJアラートに乗せて12道県(617市町村)に伝達しており、消防庁は、情報を伝達した全市町村が正常に受信したことを確認しています。
しかし一方、7道県の合計16市町村で住民に伝える手段が機能しなかったことも明らかにしています。
危機管理に詳しい専門家は、
Jアラートではどんな情報が流れ、どう対応したらいいか正確に理解している国民は少ない。
政府や自治体はシステムの不具合の原因を早急に調べ、再発防止を図るとともに、Jアラートの活用法を広く周知し、訓練を積み重ねる必要がある。
と指摘しています。
まとめ Jアラートによる情報伝達の現状と今後の工夫・改善の必要性
それでは、今回のまとめです。
8月29日(火)未明の北朝鮮のミサイル発射に関する情報伝達でJアラートが作動しましたが、現実の状況と伝達の間に大きな時間的ギャップがありました。
また、情報を伝達した市町村は正常に受信しましたが、肝心の住民への伝達がなされない市町村が少なからずありました。
今後も北朝鮮がミサイルを発射することは十分に予想されるので、住民への周知に万全を期すため、Jアラートの改善や工夫が必要であると思います。
最後までお読みいただきありがとうございした。