新年早々に「しぶんぎ(四分儀)座流星群」が観測できるようなので、ピーク時の天候が気になるところです。
そこで、この機会に流星群とはどういうものなのか、合わせて流星群の命名方法と2019年に観測できそうな流星群の観測時期についてもご紹介したいと思います。
目次
流星群とは?
流星群のお話しをする前に、そもそも流星とは何でしょう?
日常会話では流れ星ともいいますが、ここでの問題は、日常用語だとか専門用語だとかの問題ではなく、流星あるいは流れ星と言われる自然現象がどういうものなのかということです。
流星現象とは?
流星の正体は、宇宙空間に漂っている小さな粒子「宇宙の塵(チリ)」が地球の大気に突入するときに起きる発光現象です。
そこで、なぜ流星は地球の大気圏内に突入すると明るい光を発するのか?ということですが、その理由は、流星の速度にあるといいます。
流星の速度はとても速く、速いもので1秒間に約40Kmという速度に達するものがあるといいます。
秒速40Kmといわれてもあまりピンときませんが、これを時速に換算すると 40Km×3600倍=時速約14万4千Km。
実は私たちが地球に突入する流星を見るときは、地球の公転速度(秒速約30Km)も加わり、地球と正面衝突するのであれば秒速約70Kmにも達します。
時速に換算すれば約25万2千Km。
物凄いスピードであることが分かるかと思います。
この物凄いスピードの塵が地球の大気圏に突入するとどうなるか?
宇宙の塵が地球大気の原子や分子に衝突して原子核や電子がばらばらのプラズマ状態になって発光するという現象が起きます。
蛍光灯やプラズマテレビと同じ現象です。
宇宙空間に漂う塵が超高速で地球大気に突入して発光する現象が流星と言われるものなのです。
ある特定の時期に決まって現れる多くの流星たち、それが流星群
長年継続して流星観測を行っていると、まるで一定の周期があるように、ある特定の時期に決まって流星が多く見られる、そういった時期があります。
その期間は多くの場合大体1週間程度ですが、その間に流星の出現する数が波のように増減し、ピークを迎えて減少し最後には消えてしまうという現象を観測することができます。
こうしたある特定の時期に多く見られる波のように増減して活躍する流星たちを流星群といいます。
流星群の命名方法とは?
流星群の流星が流れる経路を逆に辿っていくと不思議なことにある1点に集中します。
逆にいうと、ある特定の時期に現れる多くの流星は、その1点を中心に四方八方に流れる流星ということができます。(流星が流れる原点を放射点といいます。)
そして、こうした1点に集中する流星群の命名方法として、その1点が含まれる星座の名前を冠して〇〇座(星座名)流星群と名付けているのです。
例えば、その1点がしし座に含まれているのであれば、その1点から放射される流星群を「しし座流星群」というわけです。
因みに、流星が流れる経路を逆に辿っても1点に集中しない流星は、「散在流星」と呼ばれ、流星群に属する流星とは区別して取り扱います。
2019年に出現する流星群を眼視観測できる時期をご紹介!
2019年に出現数が多い流星群は、残念ながら月明かりがある時期に出現のピークを迎えるものが多く、本来見ることができる数が減少してしまうことが予測されます。
ただ、その中でもしぶんぎ(四分儀)座流星群が比較的好条件で見ることができそうです。
それでは、この1年間で眼視観測できる流星群のをご紹介します。
これは、流星電波観測国際プロジェクトのウェブサイトからのご紹介です。
→ 年間主要流星群リスト~眼視観測編~(流星電波観測国際プロジェクトから)
まとめ
それでは今回のまとめです。
2019年に出現する流星群を観測できる時期をご紹介しましたが、この表を見るときの注意点は、(流星の活動の)ピーク日時と月齢の数値です。
①ピーク日時と観測条件の連動性
ピーク日時と観測条件は必ずしも連動していません。
ピーク日時が日中であっても、他の時間帯で十分観測できることもあります。
逆にピーク日時が夜中であっても、月齢15の満月なら観測条件としては良くありません。
②月齢について
月齢とは、月の満ち欠け(約29.5日で一回り)を、数字で表したもので、新月は月齢0、三日月は月齢3前後、満月は月齢15となります。
流星を見る条件として、月齢が1や28に近い新月ほど流星が良く見え、月齢15の満月やその前後の数字では、月が明るくて流星を見るには適しません。
更に、現実に観測できるかどうかは当日の天候にも影響されることはやむを得ません。
このように流星観測は、多くの条件がクリアされたときに、初めて好条件で観測できるというわけです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。