最近、レクサス(LEXUS)エンブレムの車を街で見かけることが多くなりました。
しかも揃いも揃って高級感溢れるものばかり。
実は、これもトヨタの車で、高級車ブランド・レクサス(LEXUS)なんです。
でも、なぜ従来のトヨタ(TOYOTA)のエンブレムではないのでしょうか。
トヨタがなぜ従来の車とは別にレクサスというエンブレムの車を製作販売するのか、その基本的な開発コンセプトとレクサスエンブレムの車種について調べてみました。
また、2018年10月に販売されたレクサスのセダン「新型ES」のドア(サイド)ミラーがミラーレスなったそうですが、ドアミラーのミラーレスとはどういうこと?
ということで、トヨタの高級車ブランド・レクサスについて報告します。
トヨタの高級車ブランド・レクサスの開発コンセプトとは?
トヨタは、従来から高級車の大きな市場であるアメリカの市場調査を行っていました。
アメリカでは、従来から重厚で威厳を放つ高級車こそがアメリカンドリームの象徴であると言われてきました。
そのため、アメリカンドリームを勝ち得た富裕層向けの自動車市場は、フラッグシップ車といわれるキャデラックやリンカーンなどごく限られた伝統的ブランドの車で占められていたのです。
しかし、車の性能やデザインモデルは日進月歩、新進気鋭の他の車に比べて燃費や信頼性の問題が指摘されていたにもかかわらず、名門ブランドの名の下に許され改善されずにいたのです。
こうした改善、変革を考えないメーカーの販売姿勢に対し顧客の潜在的な不満は相当高いものがありました。
また、古色蒼然としたデザインの押付けを好まない富裕層が一定数存在しており、近い将来顧客となる若年層には「古臭い」イメージしかないことをトヨタは市場調査で把握していたのです。
そこでトヨタは、伝統や威厳を前提とした旧来の高級車のあり方を排除し、「機能的」かつ「高品質」な特別車を模索していきました。
そうしてメルセデス・ベンツやBMWなどのドイツ製高級車に匹敵する品質や安全性を備え、更には日本車ならではの信頼性や経済性を両立させるとともに、リーズナブルな価格設定や最高の接客とアフターフォローによる高級感をブランド化して欧米の高級車市場に活路を見出そうとしたのです。
こうしたコンセプトのもと、レクサス・ブランドが立ち上がり、1989年にセダン車・初代LSが発売されました。
ちなみに「レクサス(LEXUS)」という名称は「ラグジュアリー(Luxury)」と「最先端テクノロジー(Technology)」を表す造語が由来とされています。
レクサスは、北米を中心に販売され、当初は日本国内でのレクサスブランドとしての販売予定はなく、日本向けに仕様変更やグレードの見直しをした上で、トヨタブランドで別の車種名により販売されていました。
例えば、LSは日本名「セルシオ」、同様にESが「ウィンダム」、SCが「ソアラ」、LXが「ランドクルーザーシグナス」、GXが「ランドクルーザープラド」、そしてRXが「ハリアー」という具合です。
しかし、その後2003年2月に日本国内でもレクサスブランドを販売することがトヨタ自動車から正式に発表され、2005年から販売されるようになったのです。
レクサス・ブランドには、どんな種車があるの?
レクサスのボディタイプは、大別してセダン、クーペ、ハッチバック、SUVの4タイプに分けられます。
レクサスの多くの車種は車種名にボディタイプの頭文字を使用しています。
例えば、「Luxury Sedan(ラグジャリー・セダン)」はLS、「Ground touring Sedan(グランドツーリングセダン)」はGS、「Executive Sedan(エグゼクティブセダン)」はES、
「Intelligent Sport(インテリジェントスポーツ)」はIS、「Luxury Coupe(ラグジャリー・クーぺ)」はLC、「Radiant Crossover(ラディアント・クロス=X オーバー)」はRXなど。
また、ハイブリッド車は車種名の後にh(hybrid(ハイブリッド))が、高性能・スポーツタイプにはF(富士スピードウェイの頭文字)が付けられます。
そのため、ほとんどのレクサスの車種は、その名前の聞くだけで、どんなボディダイプの車かイメージできるんです。
2018年8月時点で販売されているレクサスは、ボディタイプ別に以下の表のとおりです。
セダンタイプが5車種(LS,GSF,GS,ES,IS)、ハッチバックタイプが1車種(CT)、クーペタイプが3車種(LC,RCF,RC)、SUVタイプが4車種(LX,GX,NX,RX)の合計13車種になります。
ボディタイプ | 車種名 | 呼び方 | 備考 |
セダン | LS | ラグジャリー・セダン | |
セダン | GSF | グランドツーリング・セダンF | |
セダン | GS | グランドツーリング・セダン | |
セダン | ES | エグゼクティブ・セダン | 2018年秋頃発売予定 |
セダン | IS | インテリジェント・スポーツ | |
ハッチバック | CT | クリエイティブ・ツーリング | |
クーペ | LC | ラクジャリー・クーペ | |
クーペ | RCF | ラディカル・クーペF | |
クーペ | RC | ラディカル・クーペ | |
SUV | LX | ラグジャリー・4×4 | |
SUV | GX | グランド・4×4 | 日本未発売車種 |
SUV | RX | ラディアント・クロスオーバー | |
SUV | NX | ニンブル・クロスオーバー |
ドア(サイド)ミラーのミラーレス化とは?
レクサスは、日本向けの新型ES(Lexus ES)に、量産車として世界で初めてドア(サイド)ミラーのミラーレス化を、正式には、デジタルアウターミラーを採用し、10月下旬から販売することを発表しました。
百聞は一見にしかずで、まずはこのデジタルアウターミラーの動画をご覧ください。
デジタルアウターミラーとは、ドアミラーの位置に取り付けたデジタルカメラ内蔵の小型ユニットで撮影した車の左右後方の映像を、車内のフロントピラー部に設置した5インチのディスプレイに表示させるものです。
今までのドアミラーに比べ目線移動が少なくなり、歪みのない映像を映し出すので、ドライバーの負担軽減になります。
また、夜間時の明るさの自動調整やヒーター内蔵による雨天時の映像の曇り除去など運転時の後方を確認する環境が格段に改善されます。
まとめ
それでは今回のまとめです。
トヨタの高級車レクサスが、量産車として世界で初めて日本向けの新型ES(Lexus ES)にドア(サイド)ミラーのミラーレス化を採用すると発表しました。
「ドアミラーのミラーレス」などと言われると、何かトリックのようなものを想像してしまいますが、簡単にいうとドアミラーのデジタル(カメラ)化とでもいえば済む話しでした。
リアカメラを搭載してナビ画面で後方を確認しながらバックさせる車がありますが、これをドアミラー応用したに過ぎないのですから。
ただ、従来のドアミラーのイメージでデジタルアウターミラーを見ると相当違和感があり、車のデザイン的にいかがなものかと仰る方もいるようです。
近年、GoProを先駆けとするアクションカメラや360°カメラ、更にドライブレコーダーの出現など、デジタルカメラの小型化・高機能化には目覚ましいものがあります。
これにセンサー技術の進化による自動制御装置が加わり、これらを総合した自動運転装置など自動車業界においては様々な分野でデジタル化が物凄い勢いで進んでいます。
車がどこまでデジタル化され、どこまでドライバーに優しい存在となれるのか興味はつきません。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。