12月に入り、いよいよ冬本番の季節になりました。
冬といえば空気の乾燥が気になる季節。
湿度が低いと肌はカサカサ、インフルエンザや風邪にもかかりやすくなります。
そんな時、加湿器が強い味方になってくれます。
近年、加湿器の需要が伸び、多くの商品が出ています。
加湿器に詳しい専門家は、「家電は、どうしても価格やデザインに目を奪われがちですが、加湿器の場合は、特に衛生面や構造の違いを把握して選びたい」といいます。
その専門家によると、加湿器は加湿方式の違いで大きく(1)スチーム式、(2)気化式・ハイブリッド式、(3)超音波式の3つに分けられるそうです。
それぞれの方式の仕組みや特色と加湿器の賢い選び方を専門家に聞いてきましたので、ご報告します。
スチーム式加湿器
スチーム式の仕組みと特色
スチーム式は、タンクの水をヒーターで加熱して蒸気にし、それを室内に噴射して加湿する仕組みで、簡単にいうとやかんでお湯を沸かし湯気を出すのと同じ原理です。
加湿器は一般的に維持管理の面でどのタイプのものでもこまめに手入れする必要があります。
この点、スチーム式は水が煮沸されるため、雑菌が生じにくく、容器にたまるカルキをクエン酸で洗浄する以外は構造がシンプルで手入れがしやすいのが特徴です。
それから加湿で室温が上がり、温かくなるというメリットもありますが、湯気が出るため、やけどにはご注意、特に子どもがいる家庭では気をつけてください。
スチーム式の代表的な製品の紹介
象印 スチーム式加湿器
電気ポットの技術を生かした象印マホービンのスチーム式加湿器は、チャイルドロックなどがついており、広口で使いやすく、蒸気を65度まで冷やして噴出します。
木造和室6畳、プレハブ洋室10畳向き、Wセンサーで湿度を自動制御、広口フッ素加工で手入れが簡単です。
スチーム式はヒーターを使うため、電力消費が大きく、広い部屋を隅々まで加湿するのには不向きですが、狭い空間や特定の場所の加湿には向いています。
三菱電機 パーソナル保湿機
次に、三菱電機の「パーソナル保湿機」は就寝中の顔に蒸気を届けるのが特徴です。
加湿器の使用で、加湿し過ぎになることもあるので注意しましょう。
ピンポイントで顔のまわりなどを約45度のスチームで加湿し、寝ている間などにのどや鼻、肌を潤します。
加湿し過ぎによる結露はカビの発生原因になるので、適正な湿度約50%〜60%を保つために、湿度表示のモニターやセンサーがあると便利です。
気化式・ハイブリッド式加湿器
気化式・ハイブリッド式の仕組みと特色
気化式は、水を含んだフィルターにファンで風を当てて湿度の高い空気を部屋に放出して加湿する仕組みです。
ヒーターを使わないで送風するだけなので、消費電力が少なくて済むというメリットがあります。
また、スチーム式のようにやけどの心配がなく、音も静かですが、放出される風は温度が低いため、加湿器の近くにいると寒く感じることもあります。
また、蒸発量も少なめなので、加湿までに時間がかかるというデメリットもあります。
それをカバーしたのがハイブリッド式です。
立ち上がりはヒーターで温風を送り出して素早く加湿し、湿度が一定になったらヒーターをオフにして気化式に切り替え、消費電力を抑えます。
ハイブリッド式は、リビングなど広い空間を万遍なく加湿するのに適しています。
ただ、スチーム式のように煮沸しないため、トレーやフィルターの手入れは頻繁にする必要があります。
そのため、タンクやトレーが抗菌加工されているかどうかが重要です。
気化式・ハイブリッド式の代表的な製品の紹介
ダイニチ工業 ハイブリット式加湿器
加湿器の国内シェア1位のダイニチ工業のハイブリッド式製品は、静音性が優れ就寝時に快適ですし、抗菌加工にもこだわっており手入れもしやすいです。
木造和室12畳、プレハブ洋室19畳向き。静音運転を徹底させ、トレーやフィルターの抗菌加工を施工しています。
シャープ ハイブリッド加湿器
加湿器で意外に面倒なのが給水です。
この点シャープのハイブリッド製品は、上部の給水口からも下部のトレーからも両方から給水ができて使い勝手がよいです。
木造和室12.5畳、プレハブ洋室21畳向き。水のつぎ足しが簡単で、プラズマクラスターイオンの風で加湿します。
パナソニック ヒーターレス気化式加湿器
パナソニックの「ヒーターレス気化式加湿器」は少ない電力で大きな出力が得られるDCモーターを搭載しているため高速回転で、ハイブリッド式と同等の加湿速度を可能にしています。
最近は、空気清浄機に加湿機能がついているものも多くなりましたが、清浄機能が落ちるため、加湿には単体の製品が望ましいと思います。
ただし、例外としてダイキンの加湿空気清浄機は両機能ともパワフルだそうです。
超音波式加湿器
超音波式の仕組みと特色
超音波式は、可愛らしい小型の卓上タイプのものからインテリアとして部屋に置ける大型タイプのものまで、さまざまな形状があり、デザイン性に富んでいるのが大きな特徴です。
仕組みは、超音波の振動でタンク内の水を霧状にして放出するというもので、ヒーターを搭載しないため、消費電力が少なくて済みます。
タンクの水にアロマオイルを混ぜて香りを楽しむことができるタイプもあります。
ただし、水を煮沸させずフィルターにも通さないで直接放出するので、除菌能力の弱いタイプでは、こまめに手入れをする必要があります。
これを怠ると、空中に雑菌をまき散らしてしまう危険があります。
そもそも加湿器はどのタイプであっても、塩素殺菌されている水道水を使い毎日水を交換し、タンクを洗浄する必要があるのです。
とりわけ超音波式は、こまめにお手入れする必要があるということです。
また、超音波式は、卓上から大型まで製品の種類が豊富なこともあり、数千円のお手軽品から5万円以上もする高級品まで、価格に幅があるのも特徴です。
除菌能力が高く性能がいいものはやはり高額で、安価なものは霧状の水の粒子が大きく、加湿器の下が濡れるため、置き場所に注意が必要です。
超音波式の代表的な製品の紹介
ダイソン 「ハイジェニックミスト」
個性的なデザインのダイソンの「ハイジェニック ミスト」は、「水に潜むバクテリヤの99.9%を除菌し、部屋を均一に潤す」と銘打っています。
5〜8畳向き。UV-Cライトを照射し除菌。自動湿度制御機能を搭載し、18時間連続運転が可能
カドー 加湿器「STEM620」
カドーの加湿器「STEM620」も抗菌プレートを搭載して「99.9%除菌」を掲げています。
更にLEDの光で湿度とタンクの状態が目に見える形で分かり、インテリ性が高い製品です。
木造和室10畳、プレハブ洋室17畳向き。カートリッジで水道水に含まれるカルシウムを除去、フレグランスモードも搭載しています。
エレコム 「エクリア ミスト」
オフィスに置ける小型の製品では、エレコムの「エクリア ミスト」が抗菌剤を使用して「減菌率99.9%」だそうです。
USBから電源が取れ、LEDライトで7色に変化します。
まとめ 加湿器 選定の際の着眼点やメリット、デメリット
それでは今回のまとめです。
一口に加湿器といっても、いろいろなタイプのものがあり、それぞれメリット、デメリットの特徴があります。
そのため購入するときは、見た目だけでなく、抗菌などの機能があり、手入れもしやすいかどうか十分検討して、ご自宅のお部屋に合った製品をお選びいただければと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。