今年も札幌に「YOSAKOIソーラン祭」の季節がやってきました。
1992年、参加チーム10(人数1,000人)、観客20万人で始まったこのお祭りは、今では、200を超える参加チーム(参加人数は多いときで4万5千人)、観客数も200万人を超えて、すっかり初夏の札幌の風物詩として定着しました。
このお祭りは、ある一人の当時大学2年の北大生が中心となって企画立案し、生まれた市民参加型のユニークなイベントです。
高知県のよさこい祭と北海道のソーラン節を融合させた「YOSAKOIソーラン祭」とは?
この祭の創設者である北大生とこれを企画立案するきっかけとなった思いとは?よさこいソーラン祭がたどった歴史とともに報告します。
目次
よさこいソーラン祭とは?
「YOSAKOIソーラン祭」は、当時、北大生だった長谷川岳さん(現参議院議員)が、2年生の夏に訪問した高知県で本場のよさこい祭を観覧したとき、その躍動感に感動し、北海道でもこうした躍動感溢れるお祭りを実現したいという思いを胸に、学生仲間を募って始めたお祭りです。
このお祭りは、よさこい祭に触発されたこともあり、高知県のよさこい祭と北海道のソーラン節を融合させた「YOSAKOIソーラン祭」として企画立案したものです。
具体的には、①ソーラン節のフレーズを入れた楽曲で、②鳴子(下の画像参照)を持って踊り手が演舞すること。これが基本ルールです。
また、チームは150人以内で、楽曲と演舞時間は1演舞4分30秒以内と制限されておりますが、これは、祭りをスムーズに進行させるために設けられたルールです。
踊り(振付け)は、各チーム自由に考えて構いませんが、踊る場所に応じて3パターンを用意する必要があります。
- ①パレード形式-路上を行進しながら踊るパターン(1回の演舞で100m前進)
- ②ステージ形式-舞台など決められたスペース内で進まずに固定して踊るパターン
- ③静止型パレード形式-パレード形式を進まずに固定して踊るパターン
このほか、パレード形式の踊りには地方車(じかたしゃ)といって、演舞の際に踊り手を先導して走る音響設備を積載したトラックが必要です。
地方車は、踊りのための音楽を鳴らし装飾をして視覚でもチームをアピールできるパレードの花形といわれています。
よさこいソーラン祭の歴史-参加チーム・人数及び観客数の推移
第1回のよさこいソーラン祭は、「YOSAKOIソーラン祭り学生実行委員会」が運営主体となって1992年に開幕されました。
1回目は、参加10チーム(人数1,000人)で3会場20万人の観客動員数を記録します。
最初のお祭で展開された躍動感あふれる演舞やロック調の勇壮なリズムを奏でる楽曲が一気に若者を魅了します。
このため、お祭りが若者の間にまたたく間に拡がり、よさこいソーラン祭は、回を重ねる毎に参加チームや躍り手が増えてきます。
それに伴って観客数も増加し、5回目で参加人数1万人、観客数100万人を超え、10回目で参加チーム数が歴代最高の408を記録。そして観客数は200万人を超えるまでに成長しました。
その後、観客数は200万人台前後で推移(2010年の19回目に218万1千人の歴代最高を記録)。
また参加チーム人数は、2006年(15回目)に過去最高の45000人を記録し、その後3万人台前後を推移しています。
「よさこいソーラン大賞」を受賞した主な歴代チーム
優秀な演舞を披露したチームには、いろいろな賞が授与されますが、中でも最優秀のチームには「YOSAKOIソーラン大賞」が贈られ、参加チームはその賞を目指して一年間厳しい練習に励みます。
それでは、過去に「よさこいソーラン大賞」を受賞した主なチームの受賞歴と演舞風景を紹介します。
①平岸天神(ひらぎしてんじん)
よさこいソーラン祭には2回目から出場しており、この祭を代表するチームです。大賞受賞10回を誇ります。衣装は、色とりどりの裾の長いドテラ風のはっぴを着て躍ります。
チームの人数が多いのにもかかわらず、一糸乱れぬ躍りの様は勇壮そのもの。さすが、常連の大賞受賞チームといえます。
②新琴似天舞龍神(しんことにてんぶりゅうじん)
よさこいソーラン祭には、5回目から出場しています。大賞は、2004年の初受賞から連続で4回受賞し、その躍進ぶりに注目があつまりました。
このチームの特徴は、お袈裟がさと着物を着た女性が舞う日本舞踊の要素を取り入れた比較的静かな躍りにあります。
しかし、その後低迷しており、これからの奮起に期待します。
③夢想漣えさし(ゆめそうらんえさし)
このチームは6回目から出場しており、大賞受賞は3回。チーム名に「えさし」というひらがなを使っているため、よく道南の江刺と間違われます。
オホーツク海に面した枝幸郡枝幸町を拠点として活動しているチームです。
まとめ
それでは今回のまとめです。
「YOSAKOIソーラン祭」の季節がやってきました。
27回目を迎える今年の祭の日程は、6月6日(水)~6月10日(日)の5日間(6日~8日は夕方から)、大通公園、道庁赤レンガ、JR札幌駅南口広場、サッポロファクトリーをはじめとする札幌市内約20の会場で開催されます。
今年も、若者達の躍動感溢れる素晴らしい演舞で、リラ冷えの街・札幌を熱くしてください。期待しています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。