フジテレビは開局60周年を記念して、松本清張の名作『砂の器』を3月28日(木)午後7時57分からスペシャルドラマとして放送することを発表しました。
刑事の今西英太郎役を東山紀之が、殺人犯の天才ピアニスト和賀英良役をSexy Zoneの中島健人が、その父親役を柄本明が、それぞれ演じることになっています。
どんな作品に仕上がるのか今から楽しみです。
松本清張の名作『砂の器』とは?
『砂の器』は、1960年5月17日から1961年4月20日にかけて『読売新聞』夕刊に連載された松本清張の長編推理小説。
物語は、早朝、都会の駅の操車場で起きた殺人事件を発端に刑事の捜査と犯人の動静を中心に展開されます。
『砂の器』のミステリー小説としてのポイントは、方言の東北弁が謎を解く鍵となる設定。それからこの小説の時代背景とでもいうべき「犯罪動機となる知られたくない秘密」と他人に成り済ましがポイントです。
過去に『砂の器』で演じた俳優たちは?
映画
映画では、1974年制作の松竹映画で、刑事の今西英太郎役に丹波哲郎、和賀和賀英良役に加藤剛が、父親役には加藤嘉がそれぞれ出演しました。
テレビドラマ
テレビドラマでは、これまで、TBS、フジテレビ、テレビ朝日の3局で合計5回放送されています。
1962年版(TBS系列)では、「近鉄金曜劇場」で放送され、刑事の今西英太郎の役に高松英郎が、和賀英良役に夏目俊二が出演していました。
この作品は、1985年に再編集版が放送され、更に原作者松本清張が亡くなった1992年にも追悼番組として放送されました。
1977年版(フジテレビ系列)では、「ゴールデンドラマシリース」の中で放送され、刑事今西榮太郎役を仲代達矢が、和賀英良役を田村正和が演じていました。
1991年版(テレビ朝日系列)では、刑事の今西英太郎役を田中國衞が、和賀英良役を佐藤浩市が演じていました。
2004年版(TBS系列)では、刑事の今西修一郎役を渡辺謙が、和賀英良役を中居正広が演じていました。
2011年版(テレビ朝日系列)では、玉木宏が演じる若手刑事・吉村弘の視点から物語が展開されているため、配役の比重の置き方が少し変化してします。
今西英太郎役を小林薫が、和賀英良役を佐々木蔵之介が演じてします。
なお、この作品は当初3月に放送予定でしたが、東日本大震災の発生を受けて、急遽、報道特番が組まれたため、9月に変更された経緯があります。
犯罪の動機となる知られたくない秘密・時代背景の設定は?
この作品の時代背景ともいうべき「犯罪動機となる知られたくない秘密」の部分はそれぞれの作品が放映・放送される時代にふさわしい内容となるため、どのように変わってきたか、比較してみるのも面白いです。
1960年の原作では、和賀英良(本浦秀夫)の父親の千代吉のハンセン氏病であり、これは映画でも踏襲されていますが、原作にはない、今西刑事がその病気の療養所を訪問するシーンを設け、少し強めにしています。
一方、テレビドラマでは、この「出自の秘密」の部分は相当変更されております。
精神疾患(1977年版)としたり、犯罪者(1991年版)としたり、2004年版ではダム建設をめぐり村八分にされた千代吉が、それが原因で妻が病死したことを憤って村中の家を放火し多くの村人を殺害した人間として設定されていました。
まとめ
それでは今回のまとめです。フジテレビは、開局60周年を記念して、松本清張原作の『砂の器』を刑事の今西英太郎役を東山紀之が、殺人犯の天才ピアニスト和賀英良役をSexy Zoneの中島健人が演じる作品として3月28日(木)午後7時57分からスペシャルドラマを放送すると発表しました。
発表では、物語の内容を現代に沿った形に編集し直すとしていますので、どんな物語が展開展開されるのか、特に時代背景として設定される犯罪動機・「知られたくないの秘密」を何にするのか非常に興味が湧くところです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。